【部落差別(同和問題)】

ぶらくさべつ(どうわもんだい)

日本社会の歴史的過程で形成された、身分階層を起源とする日本固有の人権問題のこと。古くから国民の一部の人々が経済的、社会的、文化的に低い状態に置かれることを強いられ、住む場所や職業、服装など、生活のすべての面で差別を受けていました。1871年の「身分解放令」によって身分階層の廃止が明言されましたが、差別は根強く残っており、1969年には地方自治体や民間運動団体等が差別解消に向けて対策を行なうために同和対策事業特別措置法が制定されました。住宅や道路等のハード面での整備は進みましたが、被差別部落出身であることから結婚を反対される、就職を断られるといったソフト面での問題は今も残り続けています。特に近年では、インターネット上で、特定個人・不特定者に向けた被差別部落に関する誹謗中傷や差別を助長するような内容の書き込み・閲覧が行なわれているなど、情報化社会の進展に伴って深刻な部落差別が新たに増大しています。このように今なお続く差別に対して、2016年に「部落差別解消推進法」が公布・施行され、国と地方公共団体それぞれで差別解消に向けた取り組みが続けられています。