【ドメスティック・バイオレンス(DV)】

どめすてぃっく・ばいおれんす(でぃーぶい)

“ドメスティック”は家庭や国の内側を指し示す言葉ですが、ドメスティック・バイオレンスには、実は明確な定義がありません。日本では多くの場合、配偶者や恋人など親密な関係にある人、もしくは、かつてそうした関係だった人からの暴力という意味で使用されます。男女を問わない問題ではあるものの、体格差、男尊女卑のような社会通念や経済的格差などが一因となり、多くのケースで被害者となるのは女性。内閣府の男女共同参画局では、被害に遭ってしまった人の人権と安全を守るため、配偶者暴力防止法にしたがって、相談やカウンセリング、緊急時の一時保護などを行なう「配偶者暴力相談支援センター」を各都道府県に設置しています。2020年には、24時間電話相談できる窓口として「DV相談プラス」をスタート。同局の調査によると、2020年度にこの2つの窓口に寄せられた相談件数の合計は前年度の約1.6倍。コロナ禍により、配偶者と同じ空間にいる時間が増えたことが原因だと考えられています。福井県済生会病院では、「性暴力救済センターひなぎく」を開設し、医師による診察・治療やカウンセリングなどを実施。済生会宇都宮病院では、「とちぎ性暴力被害者サポートセンター(とちエール)」で専属の女性相談員などが相談を受け付け、関係機関と連携して被害者をサポートしています。