【ネグレクト(neglect)】

ねぐれくと

英語で、無視や怠慢などを意味する言葉。日本では、子どもや高齢者、障害者などへの虐待の1つとして、適切な医療を受けさせない、食事を与えない、不潔な状態を放置するといった、「養育や養護を著しく怠ること」という意味で使われることがあります。子どもへのネグレクトは、児童虐待防止法にも明記されており、健康や安全への配慮を怠っていることや、子どもにとって必要な情緒的欲求に応えず、愛情や関心を注がないことなどもネグレクトによる虐待とされています。高齢者については高齢者虐待防止法に明記されており、介護や世話の放棄、放任がネグレクトにあたります。同居人などが高齢者への虐待を行なっているにも関わらず、それを放置することもその1つです。また、障害者へのネグレクトについては、障害者虐待防止法に同様の明記があり、身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、経済的虐待と並んで、虐待に該当するとされています。近年では、自傷行為や、高齢や障害などさまざまな理由で自らのケアが行なえない状態を放置しておくことなど、自分自身に向けた虐待行為を指す「セルフネグレクト」との向き合い方も注目されています。このセルフネグレクトを考える上で難しいのは、本人が意図的に行なう場合だけでなく、精神疾患や認知症などの疾患、あるいは地域の支援体制の不足などにより、意図せずに陥ってしまう状態もありうる点です。例えば、周囲からの孤立が一因となり生じる「ごみ屋敷問題」なども、このセルフネグレクトの産物であるという考え方もあります。

参考サイト
子ども虐待とは(認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク)
子ども虐待の援助に関する基本事項(厚生労働省)
高齢者虐待防止の基本(厚生労働省)

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