社会的に不利な状況に置かれた人の自己実現を目指し、ハンディキャップなどマイナスの側面ではなく、その人自身が自分の長所や得意なこと(ストレングス)に気づき、それに対して援助すること。能力や権限は、その人自身が本来持っていると考えるのが基本的な姿勢です。起源は、主に1950年代から60年代にかけてアフリカ系アメリカ人が行なった公民権運動。ノーベル平和賞でも知られるキング牧師などが活躍し、黒人への差別の撤廃や法の下の平等を自ら改革したことと関連して、社会福祉の分野に理念として取り入れられるようになりました。例えば、福祉施設において、利用者を“サービスを受ける受動的な存在”としてではなく、どうサポートをすれば本来持っている力を発揮できるのかを考えてケアにあたることによって、利用者本人にも自信がつき、治療などへの積極的な姿勢にもつながります。