【フランスの「反排除法」】

ふらんすの「はんはいじょほう」

1998年、社会的排除と闘うための法律「反排除法(社会的排除対策法)」が世界でいち早く成立したフランス。その背景には、1974年フランスの社会学者ルネ・ルノワールが、世界で初めて「社会的排除」という言葉を提示し、失業者、障害者、外国人などが社会から排除されていることを論じたことに始まります。EUでは、1997年に合意したアムステルダム条約において、社会的排除と闘い、排除を防止するための国内計画の立案を加盟国に義務化。その後、ヨーロッパ各国で取り組みが進められました。日本では、2000年、厚生労働省が発表した報告書「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」にて、すべての人を孤独や孤立、排除や摩擦から援護するといった内容が盛り込まれました。この報告書は、“ソーシャルインクルージョン”という言葉が、初めて使用された公の文書でもあります。