【民生委員】

みんせいいいん

地域において住民の生活や福祉全般に関する相談を受け、サポートをする役割を担います。民生委員は町会や自治会からの推薦、公募などを経て、厚生労働大臣から委嘱されますが、社会福祉の増進を図るボランティアとして活動するため、給与は発生しません。任期は3年で再任も可能、すべての民生委員が「児童委員」を兼任します。基本的に委員自身が暮らしている地域での活動となるため、住民にとっては、気軽に相談できる“ご近所さん”のような身近な存在です。具体的な活動としては、高齢者や障害者、生活に困窮している世帯、母子家庭などの状況把握のほか、世帯ごとのニーズに応じた福祉サービスの情報提供や助言、児童の登下校時の声かけ、地域内のパトロール活動など。委員ごとの電話番号が行政のウェブサイトなどで公表されており、直接連絡して相談できるほか、行政や社会福祉協議会などの窓口から紹介してもらうこともできます。活動の始まりは1917年。当時の岡山県知事が県内の貧困者を支援するため、ドイツのエルバ―フェルト制度を参考に創設した「済世顧問制度」が起源となりました。虐待や孤立など地域で起こった問題を早期に発見し、行政や専門機関とのパイプ役として、支援の目が届きにくい人も取り残すことなくサポートする重要な役割を担っています。