脳や神経(ニューロ)に由来するさまざまな「違い」を多様性(ダイバーシティ)と捉えて、互いに尊重し合おうとする考え方のこと。例えば、発達障害によって起こる自閉スペクトラム症や注意欠陥多動性障害などを“優劣”に捉えず、その人の特性あるいは脳や神経の異常にすぎないといった捉え方をします。この視点を取り入れて考案されたものの一つが、感覚過敏の症状がある人に向けた空間「センサリールーム」。強い光、大きな音といった五感への刺激が少なくなるようにつくられ、人が多く集まる公共施設やスポーツ観戦会場などで安心して過ごせるように設けられたり、セラピーを目的として、民間企業の施設内やイベントスペースなどにつくられた場所もあります。また、東京都では、発達障害による特性を企業の戦力として活かしていくため、トライアル雇用などを行なう「ニューロダイバーシティ導入モデル」への参加企業募集にも取り組んでいます。ニューロダイバーシティの概念をまちづくりやサービス提供、就労などに活かすことで、誰もが活躍できる社会の実現が後押しされます。