【災害関連死】

さいがいかんれんし

災害時の建物の倒壊や火災などの直接的な被害ではなく、避難途中や避難生活等においての精神的・身体的負担によって引き起こされる死のこと。具体的には、避難所生活の疲労・ストレスによる臓器の機能不全、食料不足による栄養障害、持病や負傷箇所の悪化、医療機関の機能停止による初期治療の遅れなどが挙げられます。例えば、2011年3月に起こった東日本大震災では、災害関連死の死者数は3802人で、同災害による直接的な死者数1万5900人と比較しても、かなり大きな割合を占めていることがわかります(2024年3月時点)。「災害弔慰金の支給等に関する法律(昭和48年法律第82号)」に基づき、災害が原因で死亡したことが認められた事例においては市町村から自然災害によって亡くなった方の遺族へ災害弔慰金を支給しています。近年では施策として要配慮者が心身ともに安心して避難生活を送れる「福祉避難所」や、有事の際に被災地へと派遣され被災者の健康の維持や必要な看護を提供する「災害支援ナース」の充実などの具体的な取り組みも進められています。

参考サイト
災害関連死事例集(内閣府)
震災関連死の死者数等について(復興庁)
災害弔慰金・災害援護資金などの支援について(厚生労働省)