【社会復帰調整官】

しゃかいふっきちょうせいかん

医療観察制度に基づき、心神喪失などの状態にある人が殺人や放火、強盗といった重大な他害行為を行なった場合に、その後の社会復帰を促進する専門職のこと。同じく全国の保護観察所に配置される保護観察官とは役割が異なり、医療観察制度の対象となった障害者や高齢者などを支援することが特徴です。対象者が入院している場合は、退院後の住まいや通院先の確保、地域での暮らしを支えるための援助体制の整備など、生活環境の調整を行ないます。対象者が通院している場合は、受診状況や生活の状況を見守りながら、服薬を正しく継続するための助言や指導のほか、医療機関や行政、社会福祉施設など支援に携わる関係機関とのケア会議の設定といった「精神保健観察」を行ないます。また、裁判所からの求めに応じて、入院もしくは通院の決定にあたって対象者の住まいや家族の状況、利用できる精神保健福祉サービスなど、生活環境の調査も実施しています。こうした社会復帰調整官の役割や、医療観察制度の目的や内容については、2005年に施行された心神喪失者等医療観察法に定められています。

参考サイト
社会復帰調整官(法務省保護局)
社会復帰調整官を目指す方へ(法務局)

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