【ダブルケア(ダブルケアラー)】
だぶるけあ
「子育て」と「親の介護」という2つのケアを同時に行なっている状態のことで、研究者によって提唱された造語です。晩婚化や晩産化、また少子化できょうだいが少なくなったこと、核家族が増え親戚づきあいが減ったことなどを背景として、育児期にある親やその世帯が、同居・別居を問わず、同時期に親の介護も抱えてしまうことをいいます。内閣府男女共同参画局が2016年に公開した調査結果によると、ダブルケアを行なっている人は推計約25万人で、その後もその数は増え続けているといわれています。精神的、体力的、経済的な負担が1人にかかることにより、例えば子育てと介護両方の相談ができる場所がなく孤立してしまったり、収入が必要な一方で仕事の時間を削らなければケアができなくなるなど、複合的な問題を抱えるケースが多いとされています。さらに育児と介護では行政の相談窓口が異なり、迅速かつ適切に対応できないという制度面での課題もあります。厚生労働省では、多様な相談を断らず受け止め、つながり続ける支援体制の構築を目指した「重層的支援体制整備事業」により、育児と介護、障害、貧困も含め、複合化・複雑化した世帯ごとの課題に対応する総合的な相談体制づくりを進め、実施する市町村には交付金による後押しを行なっています。
事例