【高齢者による犯罪】

こうれいしゃによるはんざい

警察庁の統計によると、殺人や傷害、窃盗などを犯した「刑法犯」として検挙される人のうち、高齢者が占める割合は1989年から2019年にかけて2.1%から22.0%と約10倍になるなど、長く増加傾向にあります。2024(令和6)年版の「犯罪白書」によると、検挙人員に占める65歳以上の高齢者は、2023年に22.4%(4万1,099人)となっています。罪名として最も多いのは万引きをはじめとする「窃盗」で、他の年齢層と比べても高い水準にあります。また、入所受刑者のうち65歳以上は、2023年に男性が13.3%、女性が22.7%。こうした実情を受けて、2023年からほぼすべての刑事施設で、刑執行開始時の年齢が65歳以上の人などに対して「認知症スクリーニング検査」を行ない、認知症が疑われると判定された人は医師が診察するという取り組みを行なっています。高齢者の検挙者や受刑者が増加している背景としては、少子高齢化だけでなく、生活困窮や、血縁や地縁などコミュニティの希薄化による孤立があげられます。また、高齢者が犯罪の被害者にもなるケースもあるため、行政や地域も含めさまざまな立場から、高齢者が孤立しないような方策や具体的な取り組みが課題となっています。

参考サイト
犯罪白書(法務省)
警察白書(警察庁)

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