【済生丸】

さいせいまる

「瀬戸内海島嶼部(とうしょぶ)の医療に恵まれない人々が安全に暮らせるよう医療奉仕につとめる」という理念のもと、1961年、岡山済生会総合病院の大和人士院長によって発案され、その翌年に運航を開始した日本唯一の診療船。岡山・広島・香川・愛媛4県の済生会病院の医師や看護師、理学療法士、管理栄養士、MSWなどの専門職が乗船し、健診と診療のために瀬戸内海の62の島々を巡っています。済生丸の基本方針は予防医療への貢献。一つの島に訪れる回数は年間で1~4回程度と限られるため、高齢者のための健康教室や栄養指導なども行なっています。阪神・淡路大震災では、「災害救助診療船」として現地に渡り、41日間にわたる救護活動に従事しました。また、医療関係者が予防医学やへき地医療のあり方を学ぶ、地域医療研修の場としての役割も担っています。